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バスと徒歩で長目半島を一周した話(大分県バス無料デーの旅・三回目)

※この記事は次の記事の中に挟まるピックアップエピソードです。

 臼杵市と津久見市の間には長目半島という小さな半島がある。JRや国道は根元をトンネルでショートカットしているので普段はその存在も意識しない半島であろう。この半島の北側と南側にはそれぞれの市の中心部と各集落を結ぶ路線バスが運行されているのだが、今回はこれに乗ってみたという話である。

 臼杵市側では辻・臼杵駅と泊ヶ内を結ぶ泊ヶ内線、津久見市側では運動公園・津久見駅と楠屋を結ぶ楠屋線が運行されており、ともに臼津きゅうしん交通による運行となっている。両路線ともそれぞれの市の終端の集落までを結んでいるが、臼杵市泊ヶ内と津久見市楠屋の間にはバスは走っていない。もともと間を結ぶ道路すらなかったのだが、2013年に災害時の孤立を最小限にするために相互の集落を結ぶ林道が開通して行き来が可能となった。
 時刻表によると津久見駅1302→楠屋1332→泊ヶ内1443→臼杵駅1517でうまい事繋がりそうである。
 楠屋~泊ヶ内は林道を歩いて2.5km、まぁ行けるやろ

 話は前回の記事の続きの津久見駅からとなる。12:10くらいに到着したがほぼ一時間の暇がある。飯は臼杵でガッツガツに食べた。どうしよう。…とりあえず海を見に行くか。

 海を見に行く手前にマルショクとSeriaがあったのでもうここでいいか、となりかけたがまぁせっかくなので海に行くか。津久見市はセメントの街である。そんなわけで津久見港に見えるのはひたすらに工場。これはこれで特殊な光景ではある。手前にはデカいタイヤが展示されていた。
 マルショクやSeriaを物色しているとあっという間に時間が過ぎていった。せっかくなので駅まで戻らずにちょっと手前から乗るか、とさっきのタイヤのところへ。実はタイヤの後ろにつくみん公園バス停がある。

 バス停はこの位置にありバスは向こうからくるが、この先(手前)はつくみん公園の駐車場でどん詰まりである。バスはどういう動きをするんだ?(ちなみにこの写真、ひとつ前の社会福祉協議会バス停が見えている)

 やがてチョロQみたいなバスがやってきた。おもむろにバス停を行き過ぎたと思ったら公園にバックで突っ込んできた。なるほどそういう動き。もうちょい手前から乗ってればバスに乗ったままバックが出来たな。

 つくみん公園からは一旦津久見駅へと入り、半島へと向かっていく。
 この路線の最初のハイライトは、トンネルを抜けると突然セメント工場内を走りだすところである。県道がこんなところを通っているのだ。そして工場内を出たと思ったら細い旧道に入っていく。

 県道に戻ると二車線の快走路…と思ったら旧道に戻ったりもする。まぁよくある。しかし半島名でもある長目地区を過ぎるととうとう二車線が死滅した。いい景色ではあるがこの現代に路線バスが走ってるのも奇跡的なところではある。

 津久見市の果て、楠屋にたどり着いた。こんな景色ではあるが平日なら一日5回バスが来るので本数は結構多い。てか柞原・机張原と変わらん程度に本数があるんだな。
 こっから歩きま…

 …ま…すか…?(バスが遠ざかっていく音)

 次のバスは17時半。歩こうね。

 13:42、歩き始める。入口から物凄い急坂で待ち受けているのは林道長目半島線である。冒頭にも触れたように道路自体は2013年開通と新しく、それなりに交通量があるようでさっきから数台の通行車も見かけている。林道とはいえ危なげなところはなさそうで安心できる道である。急すぎる坂を除いて。

 ひぃこら登っていくとあっという間に標高が上がっていった。

 林道というものの設計は道をいかに早く結べるかより、いかに経済的に敷くかが重要な点となってくる。トンネルや橋などは最小限であり、グネグネと山の形に合わせて登ったり下がったりを繰り返す道になりがちである。まぁ車なら多少の上り下りや遠回りなどなんのそのなのだが、我は徒歩である

13時49分50秒撮影
14時01分43秒撮影

 上の写真と下の写真は10分以上のブランクをもって撮影しているが、いくら歩いても景色が全く変わらない。つらい。道が上がったと思ったら下がっていく。つらい。そしてこの辺はイノシシやシカがいることもわかっているのでその辺も警戒が必要である。要するにつらい。

 14:06、この道無限ループしてない?と疑心暗鬼になってきたころ。ようやく津久見市と臼杵市の市境に到達。この道路の最高地点でもある。ここからは下りになるはず…

 写真を撮り損ねたがすさまじい下り坂があった。林道やしな。

 14:13、林道を脱した。永遠かと思えるような時間がかかった気がしていたが、わずか30分であった。

 ほどなく人の営みも見えた。泊ヶ内の集落である。1996年時点では人口200人くらいだったようだが、今はどうなんだろう。なお集落内に商店や自販機はないようだ。

 14:18、泊ヶ内バス停に到着。とりあえず散策する気力もないのでベンチで待つ。

 …と、近くにあるこの記念碑の紹介を忘れていた。バス停のすぐ近くにある泊ヶ内地区の「路線バス全線開通記念碑」である。車道自体は山の方からつながっていたのだが(合同新聞によると1967年開通)かなり細い道で下の道が開通するまでバスが通れる道ではなかったらしい。そのため長いこと渡船が通っていたようである。
 実は同じような記念碑は二つ隣の破磯地区にもあり、この地区の住民には実に待望の開通だったことが伺える。地域人口の減少もあり利用客はかなり減少しているはずだが、当時と変わらず4往復を維持している。

 14:40頃。臼杵発のバスがやってきた。小型のバスだと思ったら普通のバスが来たな…こっちの道はそうでもないのかしら。

 そんなことはないな。というかこの狭いトンネルのとこなんぞ、とっくに隣に二車線の新トンネルが開通しているのに容赦なく旧道に突っ込んでいく。※別サイトの外からの写真

 乗ってる方としては正直楽しい。楽しいのだが、運転手はなかなか神経を使う路線である。

 やがて二車線の旧国道に合流、横にJRが現れて、絶賛工事中の新フェリーターミナル(取り忘れた)を過ぎればほどなく臼杵市街である。ちなみに途中から一人乗ってきた以外はワイ含むバスマニア三人しか乗ってなかった。大丈夫でしょうか…

 長く続いた大分県バス無料デーの旅の記事はここでおしまいとなります。ありがとうございました。
 つぎはある…んかな。

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